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おかえり
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| 作詞 紗散 画宮 |
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それは小さくて 頼りない火だった
微かでも確かに 意思は芽生え始めた
「ここにいるよ」うぶな声だけど
もう少しだけ 聞いていたいな
それは小さくて 温かい手だった
鈍くなっていく 五感が告げている
「ここにいるよ」私はここにいるよ
私の中から あなたの中へと
忘れないで ずっとここにいるよ
還るだけだよ あなたを見守ってるよ
「愛してる」聞こえたかな？
今、強く 親指を握った
何も見えない 何も聞こえない
光の中に 違う可能性を想う
どうせなら そっちが良かったなって
笑えない 泣けない もう涙も出ない
それは小さくて 鮮明な記憶だった
幼子を生んだ 私は瞳を閉じて
「ここにいるよ」ママに訪ねても
知らないなら やっぱり私の言葉なんだ
それは膨らんで 大きくなっていった
居場所もないまま 居場所を探し始めた
「ここにいるよ」会いに行かないと
場所なら この声が教えてくれるから
忘れないよ だってここにいるの
それは小さくて 可愛い家だった
可憐な少女は 庭へ走っていった
「どうしたの？」その子の母親が
優しそうな顔で 私に語りかけた
それは大きくて 温かい手だった
ようやく溢れた 居場所のない残滓が
「ここにいるよ」うん、そこにいるよ
今、あなたの親指を握った
ただいま
忘れてないよ ずっとここに居たよ
帰ってきたよ また会えるだなんて
思ってなくて 声も出ないけど
いいよね だってずっと ずっと ずっと「愛してる」って
あなたがいる あなただと分かる
大きくなって とても幸せそうね
あなたには ああ、分からないか
今だけでいいの あの日の分まで
もう嬉しくて でも涙しか出ない
あなたは小さく「おかえり」って言った
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