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眼帯少女
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作詞 紗散 画宮 |
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朝霧に凪いだ風は 青い稲穂を香らせた
遠く遠く飛ぶ翼は 明を染める黒点
死んでいた心すら 錯覚を訴えている
左網膜は それを白と感じた
父からの命と 母からの瞳を
直向きに隠しては 普通の人を装い
終わり無き時間の 波は未だ高く
もがいても見えなくて 失せるように沈んでいくだけ
手に握られたラムネには 青と泡のうたかたを
似合いもしない麦藁帽 影に透ける白点
殺していた心が 転生を望んでいる
右網膜だけが ボーっと土を見ていた
父からの命と 母からの瞳を
直向きに隠しては 本当の自分を無くし
乱雑な記憶と 粗雑な過去とが
複雑に絡み合って 失せる気力を沈めているんだ
「何故生きる?」頭上を掠めたカラスは言う
「分かるまで、生きるよ」朧気に私は言う
万物に命宿る 個の意識に私権無く
それならば生きよう ただ理由を見つけるため
父からの命と 母からの瞳を
直向きに隠しては 無意識に人を装い
父からの命と 母からの瞳を
隠すことで私は これからも私を演じ
父と 母へ
命の感謝を胸に 永久に続く旅路は目の前に
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