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風聞
作詞 青葉巽
1.朝も夜も迎えなければきっと動かなかったろう凪
 部分的に姿へ分かれて燃え出すよ 
 することにしたよ

 朝を夜を迎えてもずっと靡くだけの灯(ともしび)
 必ずや姿のまま動かないよ
 別世界を選んだ

 離れた凪は 煤(すす)のうわさ
 ねじ曲げて 大きく風になる
 尋常ではない その風は
 燃やすためではない 吹き消すための煙
 遠くから 僕に向かって吹いてくる

2.朝と夜に昼以上の静けさを挿す二度の針
 煤は姿の身代わりに凪を起こす
 そのまま渦巻かれて

 朝や夜も光のほしいままに闇のままなる色
 必ずや姿を引っ込めるよ
 別世界を選んだ

 離れない凪は 煤のうわさ
 そのままに 微笑みの渦
 裏切りではない その風には
 従うしか効かない 煤というだけの感覚
 快い息吹が締め付ける

 離れた凪は 煤渡り
 引き継いで 風になっている
 裏切りではない その風は
 吹き消すためではない 燃やしてくれる呼吸
 遠くで 僕に向かって吹かなくても

3.朝も夜も迎えなければきっと動かなかったろう凪
 部分的に姿へ分かれて燃え出すよ 
 為すことにしたよ
 かつて生んでは生まれた実世界を

 離れない凪は 感覚の僕を 
 そのままに 導くだけ
 灯を保とうと 離れた風とは
 互いが引き立つ 風当たりの距離
 遠くで 僕を恨めば恨むほど

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公開日 2009/02/12
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コメント 昔の私を今の私に憑衣させて生まれた、夢のような歌です。昔は今に比べると訳が足りなかったけど、力が強くて、今は訳が足りる分、力が薄れているので、折衷しました。内実も隙間も、全部計算した上で、正真の初期衝動が見事に爆発した歌です。
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