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人形劇
作詞 青葉巽
1.いずれは 人のように動き出す部品だから
 人と思ってなくても 「人形」と
 その おもちゃには 大人も呼んでやる
 もうじき ぜんまいに手を届かせる楓の手
 人のような動きを求め 人形を
 熊手も助けて 名前を呼び始める

 大人に成ると
 僕らは河口から海に出る
 その時 胴体をたたきつける洪水と とんで思い違える
 僕は 子供から 無意識のうちに 魂という人間が動いていた
 一人一人が 一斉に動き出した人形に見える
 それは致し方なかろうと
 ぜんまいが温められ体に宿っていた元来からの人間なのだと
 僕は 心から 思いたい
 僕は 見回さないうちに 確かめて 分かりたい

2.いつまでも 顔を変えずに老けない人だから
 人間とは差別化を図り 「人形」と
 段々と離れていく年の差を偲んで 呼んでいる

 大人に成っても
 子供からの顔が面影として残る
 だから 子供の内に馬鹿にせず出会っておけば良かったと
 人々は 他人様の恋人に手の届かぬ考えを膨らます

3.いつかは 捨ててしまうのかと
 思いながら 「人形」と
 おもちゃ箱から取り出す人はないけれど
 そう思いながら 人形を
 片付けしまう人はある

 だけど 捨てようかどうか自分が悩む頃には もう大人だよ
 だから 君一人で 邪魔もなく 選んでゆけるよ
 子供から 無意識のうちに 魂という人間を動かしていたはず  
 僕は 心から 思いたい
 僕は 心から 伝えたい
 僕は 確かめて 祝いたい

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公開日 2009/01/15
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カテゴリ 絎倶
コメント “人形”がどうして人間を育んでいくのかを考えさせて、手軽に言うところの《人間讃歌》とした詞。やや讃えきれずにいるところもこの詞の妙である。私としては、この詞を大作だとは思っていない。
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