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何処にも行けない猫
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作詞 雪之城朱雀 |
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其処は真っ赤に染まった処でした
何処でも在りません
でも猫だけは鳴いているのでした
冷たい光が誰かを貫き
嘲笑う音だけが其処に響いているのでした
赤い月はまだ笑っています
音を消し去る事は誰にも出来ないのでしょう
此処は真っ赤に染まった処でした
何処にも在りません
でも猫だけは鳴き止まないのでした
冷たいナイフが誰かを貫き
嘲笑う声だけが其処に木霊しているのでした
黒い月はまだ笑っています
声を砕く事は如何なる人でも出来ないのでしょう
何処かへ旅に出ようにも
地図が無いのです
何処かに逃げようにも
逃げ道が無いのです
嗚呼何処へ行きましょうか
併し何処へにも行けません
此処は何処でも無いのですから
束縛されている猫
嗚呼可哀想に
其処から出ようにも
出口が無いのです
其処から亡くなろうにも
術が無いのです
嗚呼何処に行きましょうか
併し何処にも行けません
此処は何処にも無いのですから
拘束されている猫
嗚呼憐れな事に
其処は真っ赤に染まり果てているのでした
此処は何も在りません
でも猫だけは矢張り鳴いているのです
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