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憂鬱
作詞 ゆき虫


暗闇の中から見下ろした摩天楼
掴みかけたものが零れている事気付かずに
正体のない夢に取り憑かれ
振り向く事さえ困難な
細く頼りない道が続く
自からの落ちゆく場所を見つけられず
既に行方は跡絶えてしまった
見下ろす街にも
もう人影は見当たらない。




残された少しばかりの情操は
時の流れの重さで
自虐へと変わり拡大し始める
心の奥底へ閉じ込めてしまった憎愛を
被覆する程の優艶は夢の中
昇華する程の虚無にも成り切れず
まるで
照りつける光から逃げながら
今日一日ただ生き存えたらと祈る
死線に立つ少年の様に




思考しなくなった物体を休める
空虚な時間
無意味と有意義の区別さえ曖昧に
ただ ひたすら時は流れゆく
積み上げる時の苦しみと
捨て去る時の哀しみ
それに伴う喜びと解放感は
いつも果敢ない




誰も真実の心など見たくはない
虚栄の優しさを持っていない
人などいないだろうから
ただ 静寂の中に漂う寂しさを
消し去るための響があればいい
それが上辺同士の心と触れ合って
共鳴しながら沈んでゆく
そんな過程が心地良い




目に映るものは全て
朱に塗り潰された玩具のように
気に食わないものばかり
欲望を制御する事が出来ず
後悔に苛まされる
繰り返し繰り返し
まるで振り子の様に
脱出することを知らない

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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公開日 2009/02/16
ジャンル 荅鐚鐚
カテゴリ
コメント 人生に意味はあるのか、ないのか。
ただ生まれて死んでゆく動植物と同じ一部に、
なぜ人だけが意味を求めるのか。
意味など求めずにも花は美しい花を咲かす・・・。
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