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レゾンデートルの光
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作詞 憂鬱な画家と陽気な庭師 |
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暖かい手が
目隠しをするように
覆いかぶさった
I want to die. I want to grow.
(死にたいなあ。 生きたいなあ。)
『目が覚めると、僕は自分で描いた迷路の住人だった。 白昼夢のような不安定な世界で、感覚は研ぎ澄まされ、顔のない人々の行列に紛れるように逃げ込んだ。 十字架に釘で打ち付けられた神様。 たくさんの笑い声。 空気中に浮かんだ輪廻のオブジェ。
轟くような声が聞こえて空を見上げると、雲の切れ間から誰かがこっちを見下ろしていた。 充血している大きな2つの目。 シニカルに歪む口元。 その誰かは腕を伸ばし、太陽を掴むと、それを大きく開けた口のなかへと頬張った。 そして世界から光は奪われ、やがて夜が来た』
冷たい声の
粒子状のノイズが
鼓膜を破った
I want to die. I want to grow.
(死にたいなあ。 生きたいなあ。)
『スパイラル状の光の階段が空から柱のように伸びている。 僕は導かれるようにして光の階段を昇り続けている。 やがて迷路の終わりをだと悟るが、不安定な足場は永遠という誘惑を僕に見せ付ける。 空に近づくほど息が苦しくなった。 このまま昇り続ければ死んでしまうだろう。 いつの間にかミニチュアの天使たちが、周囲をぐるりと囲み、祝福とも取れる微笑を漏らしていた。 当然のことだ。 他でもない、僕が望んだことなのだから。
だけど、僕のレゾンデートルは変わってしまった。 この瞑想に繰り出したはいいが、あまりにも脆すぎたのだ。 意識が薄れていくなか、脳だけが階段から転げ堕ちる映像を見ている。 夢と現実の狭間がなくなりそうになり、手の甲を強く噛んだ。 痛みと溢れる血だけが正気を保った』
無菌室。 白いベット。 2つのビー球の目。 モノクロ世界。
第三病棟。 ティリッヒ。 ニーチェ。 カフカ。 傍観を決め込む神様。
一回だけ幸せな夢を見る。 3秒後。 ナースコールが笑い出す。
『誰かの声が耳元でサイレンのように鳴り響く。 現実の世界に引き戻される感覚に陥った。 抵抗する気はもうない。 ただ永遠に続くと思われた罪の迷路は、思わぬ形で終わりを迎えようとしている。 もしかしたら最初から、この瞬間を望んでいたのかもしれない。
病室に降り注ぐ、
レゾンデートルの光。
柔らかな体温のなかで僕は眼を覚ました』
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