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メールの駆け引き
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作詞 心恋 |
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「明日の受験、がんばってなァ!」
明日は、あたしの片想いのきみの受験日。
皆には一括送信やけど、
きみには、一括送信じゃなくて・・・。
一番最後に送ったはずやのに、
一番最初に返事が来た。
嬉しくて、嬉しくて
自分でも単純やなァって思っちゃうけど、
やっぱり嬉しい。
自然に顔がほころんだのは、
あたしのせいじゃなくて、
きみのせい。
何通かメールした後、きみから返事が来なくなった。
―寝たんかな?
そう思って、あたしもベットに入った。
でも、ケータイが震えないかと気になって眠れなくて、
でも、暫くすると、ケータイのバイブが震えた。
バッとベットを降りて、ケータイを手にとった。
メールを読んで、返事を打った。
けど、送信ボタンは押さなかった。
―好きな人の気をひくためには、メールの返事はじらすこと!
そんな言葉が頭の中に流れたから。
だから、ケータイを手にとって、ベットの中に入って、
きみのくれたメールを見ていた。
―そろそろ、返そうかな
そう思ったら、きみからのメール。
「明日早いし、もう寝るわァ」
って。
慌てて、さっき打ったメールに付け足しの言葉を加えて
送信する。
―ああ、駆け引きなんてせぇへんかったらよかった
そう思っても、もう遅い。
悔しいな、そう思って目を閉じた。
でも、わざわざ寝ることを教えてくれるのが嬉しくて
やっぱり、あたしって単純なんかなァ?って思えた。
次、きみに会ったとき
「返事くれへんかったやろー? 待っててんでェ」
そう言われたとき、ちょっと
「メールの駆け引き」してよかった
って思った。
だって、きみと話せたから。
(ああ、あたしってやっぱり単純なんかも)
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