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シャドー
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作詞 凛音 |
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友達探しに来たこども
知らない公園に踏み込んだ
街の片隅の静けさを
ちいさなひとつの世界にした
こどもはうしろを振り返る
何にもないのに気がついた
彼はこどもの足もとに
ちいさくなってそこにいた
どこから来たの? と聞いてみた。
真っ黒な顔で見つめてた。
何にも云わずにそこにいた。
首を傾げて寝転んでた。
彼を追いかけて世界を出た
どこまで行っても追いつけない
いくら急いでも届かない
うつむくと彼はうなずいた
どこまで行くの? と聞いてみた。
真っ黒な服を着けていた。
何度も触ってみたけれど。
ぬくもりはそこになかった。
こどもは世界にまた戻る
すべてが鮮やかに塗られる
空が真っ赤に燃えていく
それでも彼は黒かった
こどもはうつむき歩いてく
何でもないのに気がついた
彼はしゃがんだその膝を
今度はすっと伸ばしてた
どうして立つの? と聞いてみた。
真っ黒な足が伸びていく。
こどもはいまさら気がづいた
彼とこどもはひとつだと
こどもはゆっくり空を見る
そろそろ西日が沈んでく
彼が地面に溶けていく
はじめて見つけた友達が
ああ、さようなら と言ってみた。
真っ黒な声が聞こえたよ。
晴れた日にでもまた会おう。
ちいさなこどもに伝わった。
意味もなく 手を振ってみた。
真っ黒な彼が微笑んだ。
明日になったらまた会える。
ちいさなぬくもりが生まれた。
こどもの影が消えていった
真っ黒な手を振りながら
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