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月と天秤
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作詞 智志 |
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傾き始めている
アンティークの天秤が
音まで積もらせて
不安定に立ち尽くしてる
月を搾って
皿に流してみたんだ
どのくらいがちょうどいいのか分からない
屋上に出て
見慣れない夕闇を見つめた
僕は誰にだって優しくしてきたつもりで
誰かを血まみれにしてきた
本棚の後ろで
使わなくなった言葉を磨いていた
目を閉じて冷たい床に
耳をあてた
どんなにひどいことも上手く量れるのかな
僕はその痛みの深さを知ったところで
癒すことも
泣くこと出来ない
きっと壊れてしまうから
揺らしはしないんだ
青白い光で朝を待って
夢を見た
独りで月を磨いていた
終わらない夕闇で
アンティークの天秤が
僕と月をのせて
ぼんやりと濁っていく
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