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月と天秤
作詞 智志
傾き始めている
アンティークの天秤が
音まで積もらせて
不安定に立ち尽くしてる

月を搾って
皿に流してみたんだ
どのくらいがちょうどいいのか分からない

屋上に出て
見慣れない夕闇を見つめた
僕は誰にだって優しくしてきたつもりで
誰かを血まみれにしてきた

本棚の後ろで
使わなくなった言葉を磨いていた
目を閉じて冷たい床に
耳をあてた

どんなにひどいことも上手く量れるのかな
僕はその痛みの深さを知ったところで
癒すことも
泣くこと出来ない

きっと壊れてしまうから
揺らしはしないんだ
青白い光で朝を待って
夢を見た
独りで月を磨いていた

終わらない夕闇で
アンティークの天秤が
僕と月をのせて
ぼんやりと濁っていく

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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公開日 2008/04/04
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コメント 冷たい月と古い天秤の組み合わせです。
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