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モザイク
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作詞 少年アリス |
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部屋を改装した二日後 俺は地面に降りられなくなった
頭が上下逆さまに曲がって 真っ直ぐに飛ぶことも叶わない
不自由を女友達は憐れみ 髪を梳いてくれた
「早く良くなるといいね」と
服屋に並ぶバッグの角で ターコイズの蛾が羽ばたく
マネキンのファッションから次々に羽化して 空高く舞い上がる
そこにあった美を伝えたいがために 店員のもとへと急いだ
ディスプレイされた商品をぶちまけて
ヒステリックな声で追い立てられた
それから先は何処へ行っても似たような仕打ち
俺が言いたかったことはたった一つだけ
確かに奴らはいた 嘘なんか吐いていない
信じてくれ お願いだ 信じてくれ
命を賭けても譲らない
本当なんだ
逃げ込んだ個室トイレじゃ 上から覗かれたばかりか扉を壊された
水道管は破裂 ろくに消毒されていないシャワーが飛び散る
刮目する変質者を押し退け じいさんだらけの人混みに紛れた
ヘドロのような世界
深海性の鏡が有象無象を映し出す
数ヶ月前の俺、 裸の俺、 この上なく肥えた俺、
アパート裏に住み着いていた猫
残飯をやっていたのは幻想 でも夢の切れ目が見つからない
終わりはない 同じチャンネルに接続される 終わりはない
イメージは頑なに強調する
俺は捻れきった見世物
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