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冬のにおい
作詞 かよ
くしゃみをひとつして外に出る。
どうりで冬のにおいがした。

心地よい切なさに目を閉じる。
そういえばこんなこと、前にもあった。

思い出す帰り道。
もう陽が沈んだ町を
まだ帰りたくなくて
ゆっくりゆっくり歩いてた。

ポケットの中の暖かい手とか
あの人のコートのにおいとか
靴を引きずって歩く音
全部全部好きだった。

少しだけ鼻をすすって歩く。
髪にもうつった冬のにおい。

少しだけ胸が痛くなって
大きくため息をついた。できるだけ大きく。

幼すぎたあの頃の
もう通わない心を
互いに許せなくて
悲しくて痛くて泣いた。

遠回りした帰り道とか
悪ふざけみたいにするキスとか
ふたつ並んだ影でさえ
全部全部好きだった。

好きだったのに。


この季節が来ると
いつも思い出してるよ。

下を向いてただ静かに
鼓動に耳を澄ませていた。
あの時の心地よい切なさを。
悲しいくらいの幼さを。

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公開日 2004/09/03
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コメント もうすぐ冬のにおいがすると思います。
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