|
|
|
再生
|
作詞 ara |
|
気が付くと僕はこの世界にいた
その手には光り輝く宝石があった
その光で道を照らしながら
僕は旅に出ることにした
スキップをして歩いていたら
道行く旅人にぶつかってしまった
僕も多少は怪我したがそれよりも
道を照らす宝石が砕けてしまった
もうどうしようもないと
ひどく落ち込んでいたら
旅人はその手に持った
火のついたたいまつを僕にくれた
その火で道を照らして歩いてたら
急に強く雨が降ってきた
どこかしのげる場所を探していたら
たいまつの炎が消えてしまった
光をなくしてしまった僕は
道に倒れて息絶えた旅人の
腰に忍ばせた錆びたナイフを
盗ってかすかな光を反射させた
かろうじて雨の中を歩いていたら
急な強い風が僕を通り抜けた
何とか僕はこの風に耐えたが
そのナイフの刃がこなごなになってしまった
その柄だけになったナイフを見て
僕はたくさん涙を流した
道を照らす光はもうなかった
僕は全てを失ってしまった
こうして僕は衰えていき
もう全てが全てが嫌になって
その刃のない柄だけのナイフで
僕は僕の体を切りつけた
僕の物語はこんなもんだろう
十分すぎるクライマックスだ
しかし何か違和感があった
この物語には続きがあった
切りつけたその傷口から
たくさんの光があふれ出した
それは今まで僕を動かしていた
多くの人の想いだととわかった
僕はその傷口をやさしくふさぎ
もう一度命を取り戻した
もう一度人間になった
僕は全てを失ってはいなかった
この体に輝く宝石で
道を照らしながら
僕はもう一度旅に出ることにした
|
|
|