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蝶
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作詞 ニッシー。 |
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蜘蛛の大きくて透明な巣にかかって動けなくなった蝶
残酷な運命を背負う蝶
動きたいのに動けないのだろう
動かなきゃいけないのに動けないのだろう
動かなきゃ死んでしまうのに動けないのだろう
必死にもがいてみても助けを求めてみても
動けないものは動けないのだろう
焦る気持ちばかりが先走って
体力も精神力も限界まで達する
“あぁ、私の人生ってこんなものか”
蝶はまるでそう言っているようだった
そんな哀れな蝶を嘲笑うかのように流れる冷たい時間
誰もあの蝶を助けようとしない
蜘蛛だってなにか食べなければ生きていけない
だからって・・・・・・・
まだ飛びたいだろうに
まだ飛んでいたいだろうに
まだ甘い花の蜜を味わっていたいだろうに
この寿命が尽きるまでに行って見たい場所だって
たくさんたくさんあるだろうに
“・・・なんで私なの?”
私が蝶ならこう言っただろう
残念ながら私は蝶じゃない
でも
私が人間でいるほど価値のある人生を送っているわけでもない
それならばいっそこの人生
蝶にあげてしまえればいいのに
今を生きたいと思う蝶のほうが
やりたいことの無い私なんかよりもずっとずっと存在価値があるに違いないか
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