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家路
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作詞 バイカル |
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荒れた地面に寝転がる きしむ車輪の音が
想像力を掻き立てる 暗い夜の河岸に
灯火は誘う 疲れ果てた旅人を
忘れかけた 遠い過去 虚構の街
いつしか記憶の隅に 逃げていった人々は
憧れのオアシスへと 盛んに足を運ばせる
遥か彼方 大地に沸く 希望という名の泉
とめどなく流れる 一片の淀みもなく
荒れた地面に 立ち尽くす 私は
行方不明の流浪の民 暗い夜の帳
枯れた木の枝が 手招きする
乾ききった私の心に そっと
風がサラサラと 服の中を通り抜ける
踏み出した足は 石のように硬く強張る
破壊されたその石碑に 刻まれた彼の言葉は
雨に晒された 不毛な叫び
嵐はまだ止まない 昼間の暗い空に
ずぶぬれの私は ただただ我武者羅に 家路を急ぐ
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