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優しい音
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作詞 クロ太 |
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「優しい音。」
彼女はそう言った。
「まるで癒しだわ」と
雨に濡れた彼女はまるで
一度も見たことないのに、マリアのようだと思えた。
決して彼女も、僕も。
泣いてはいなかった。
決してだ。
ただ降り注ぐ雨に打たれて
泣いたように、見えていただけで
あの時もしあの細い肩に手を伸ばせていたのなら
僕らはまた別の道を歩んでいたんだろう。
しかし僕は、今歩んでいるこの道が、そこまで嫌いではなかったし
もしかしたら別の世界でそんなことが進行しているのかもしれない。
そんなことを思ったらひどく面白おかしかった
ああ、まるでファンタジーだ。僕は現実に生きているのに?
「優しいから泣くんだよね」
そんな彼女の言葉は
いまだに僕の心に強く根付く
もしかしたら、もしかしなくても。
僕は、彼女のことが好きだったんだと思う。
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