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僕と怪物と僕等の世界
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作詞 嘘つき |
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誰もいない夜の公園 微かな夜風に揺れるブランコの
鎖のこすれる音が 夜の闇に溶けて消えていくような
そんな、真っ暗な世界があった
―――僕の中、に
「お前なんか、生まなければよかった」
存在を否定されてしまった 子供が一人
それならこの世界で それでも確かにいる僕は
どうすればいいの?
…そんな勝手なこと 言わないでよ
「お前はいつも人を見る目が無い」
自分の仲間を見限られた 人間が一人
その「見る目」ってモンがあるらしい アンタには
コイツの中にある財宝が 見えないのかい?
…知ろうともしないで 決めつけないでよ
偉そうな大人が汚く見えた あの頃
大人になるということに 確かに怯えていた
負の感情とか暗闇なんかが あの頃
とても怖い怪物のようで 確かに震えていた
闇に捕まらない様に どこまでも走っていたんだ
でも、子供の足じゃ 逃げ切れないのは明らかで…
ある日、気づいた 人を憎む自分がいた
ある日、気づいた 人を決めつけていた
あの汚くて怖い怪物が 僕の中にも潜んでいたんだ
―――僕も 闇に、捕まった
闇の中で
怪物が怖くて 近づきたくなくて 距離を置いていた
大人になることを拒否していた 目を閉じ、耳を塞いで
それでも少しずつ汚れていく自分が
信じられなくて泣いていたんだけど
塞いだ耳から 泣き声が重なって聴こえた
驚いて泣きやんだ まだ泣き声がする
ここには、僕とアイツしかいないはずだ 「君は…誰?」
暗闇に慣れた目を凝らして 泣き声の方を見つめた
その先にいたのは…紛れも無い、アイツだった
怪物が泣いていた 一人にしないでくれ、と
怪物が泣いていた 僕に気づいてくれ、と
怪物が泣いていた 目を開いて僕を見てくれ、と
その涙を見たとき その怪物がとても愛しく思えたよ
また歩き出せるかな? 二度と闇に捕まらないように
まだ歩いていけるかな? この素晴らしい世界を
怪物の手をとって 世界に目をむけて ―――さぁ
人は生きていく限り 汚れていくけど
暗闇を拒絶しないで 認めてあげてよ
その全てをひっくるめて それが素晴らしい 自分なんだ
その怪物を見つけて 抱きしめることができたら
その瞬間 汚れも暗闇も 姿を変えるんだ―――
誰もいない夜の公園 微かな夜風に揺れるブランコ
そんな世界があったとしても もう大丈夫だよ
いつか、必ず朝日が辺りを照らすから
―――全ての世界は 僕の中、に
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