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思いを乗せて
作詞 雄飛
君は走りつづけた

朝から晩まで

暮れた夕日を見ることもなく

ただ明日を見つめて走りつづけた

マウンドに立つ君は一回り大きく感じた

君が見上げた夏の空は雲ひとつなく 

静かに晴れ渡っていた

乾いた風がそっと君を横切り

さぁ行こう と合図をした

君の左手には強い思いが込められた白い球があった

君は僕らに目をやることもなく

君はただ前を向いていた

君の瞳に映っていたものはооо



君は大きくたくましく成長していた

あの頃よりももっと ずっと

君の前で倒れる打者に目もくれず

君はただ前を向いていた


夏の空気がさっと色を変え

君も何かが変わった

体は万全ではなかった

僕はそれを知っていた

だけど 君が走りつづけていたこと知っていたから

君をそっと後押しした

君は苦しい顔をして投げつづけた

というより投げ急いだ

僕には何ができるだろう

君になにができるだろう

君は辛いと言うことなく投げつづけた

変わらずマウンドに立ち続けた

君の投げた一つ一つに大きなものが詰まっている

君の掌に納まってしまう 大きなものだ

夏の終わりはあまりにも儚く

君は突っ伏したまま微動だにせず

歯を食いしばり

涙をこらえた

こらえきれずに頬を伝った涙は

美しい透き通ったものだった

君は表情なくまるで写真に収められてしまったように

深深と頭を下げ

二度と顔をあげることなくマウンドを去った

“全ては僕に責任があります”

君を誉めたてる報道が聞こえてないかのように

君はただ静かに一言そう言った



夏の陽射しよりも君の姿が眩しすぎて

僕は夏だということを忘れてしまいそうになった



走りつづけた君は

新たなものに向かって

またゼロから走り出すのだろう

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公開日 2004/11/01
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コメント すごいなぁと思いました。頑張ってる姿を少しでも多くの人に伝わったらいいなぁと思いますо
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