|
|
|
マドの外
|
作詞 oyou |
|
その日は突然やってきた。
もう、覚悟は出来ていて、ただなんとなく息してた。
あと少しで、僕は二度と動けなくなる。
この場所からマドの外を見続けて
季節は、流れて消えてった。
丘の櫻を見るのも今日が
最後。
唯一の心残りは、
「何時かここで会おう」と笑った
君との約束を破ること。
もうダメらしい。右手も冷たくなってきた。
そろそろ逝くとしよう。君が来る時間だ。
情けない姿は見られたくない。
ドアが開いて君が来る。
花束を投げ出して、僕に触れる。
そんな君の手は、どうしようも無く
暖かくて、力尽きる僕にはもったいない。
やっぱり、最後の一言は君に贈ろう。
「もう、泣かなくても良いんだよ。」
中途半端な僕の最初で最後の精一杯。
微笑みながら泣きながら、頷く君。
「ありがとう」「バイバイ」
言ったつもりだけど、聞こえてないだろう。
それでもいい。
僕がずっと欲しかったものを
君が最後にくれたから。
|
|
|