|
|
|
蓋のない水瓶
|
作詞 月本 燈 |
|
いつだったかな きみに逢った
ほわほわと 真っ白い息を吐きながら
僕は名前を呼ばれた 知っていたことさえ嬉しいよ
思わず笑ったぼくの
くちびるは ひどく かさついてる
きれちゃうよって笑われた
だけどきみの笑顔もかさついてるの?
気付いてしまった 笑顔の違和感
きみに水を与えるよ たっぷり蓄えよう
笑うのなら瑞々しい笑顔で
きみに必要なのは蓋のない水瓶 溢れても足りない
辛いのならば 泣いてしまえ
嬉しいときこそ 笑えばいいよ
なにがきみを乾かせるの?
でも解ったからってどうにもならない
『乾いた理由は一つだけ
人が怖いんだ 傷つけられるのが怖いんだ
笑っていれば 誰も敵にはならないでしょう?』
僕がきみにできることなんか
慰めを 云う くらいだね
それが力になるのなら 充分だと思いたいけど
辛さは飲み込まずに 吐き出してしまえ
辛さに押しつぶされぬよう 地面を強く強く踏め
そんなきみがすき 強がられるのはすきじゃないかな
僕が与えられる水は 水瓶を満たすことはないだけど
のどは潤せる 疲れたらもたれていいよ
僕の両手は 多分 いつだって 空っぽだから
いつだっていいよ 待っているのは嫌いじゃないから
蒼く蒼い空のした きみの水瓶へ水を運ぼう
|
|
|