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奈々。
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作詞 あーこ |
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私が奈々を拾ったのは8年前だっけ
うちのカーポートの下で震えてた野良犬
追い払おうと思ったら逆にひっついてきたりして
追い払えなくて 飼うことになったんだよね
最初のころは本当に可愛くて可愛くて
学校に行く時 寂しげに奈々のうるうるした瞳が私を見つめてきてくれて
まっすぐ家に帰っていっぱい散歩したりしたよね
だけど中学校に私が入って部活が忙しくなって
奈々と過ごす時間もなくなって
いつの間にか母さんが奈々の世話係になって
奈々と私は離れていって
もう家族の1人だったから いるのが当たり前になって
奈々の大切さを少し忘れかけてたよ
ある休日 外は雪一面
早く起きた私は白い息を吐きながら
奈々の小屋にいった
そしたら奈々はぐっすり寝ていた
久しぶりに間近に見たら
すごく小さく見えた 私が大きくなったからかな?
毛は少し白っぽくなってた
「奈々」
起きなかった
「奈々」
目を覚まさなかった
私は大声で泣いた
涙が頬をつたって凍りそうだった
奈々は冷たかった 雪よりもっと冷たくなってた
私は奈々を拾って良かったのかな
こんな終わり方で奈々とさよならしたくなかった
奈々………ごめんね ごめんね ごめん………
奈々は白い銀世界の中 白い灰になって
冬の寒い空へと登った
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